パソコン教室の窓から-Space Magazineへの投稿記事-

2021年 パソコン教室の窓から

2021年1月号
(30) 胆力そして慚愧
2021年2月号
(31) 日立市後援パソコン入門講座を終了して
2021年3月号
(32) 4月から日立市後援パソコン入門講座を新規開講

Space Magazine 2021年1月号

パソコン教室の窓から(30)
胆力そして慚愧

NPO法人コミュニティNETひたち

久保 裕


昨年は世界的なパンデミック新型コロナ感染症の蔓延のニュースと対策に明け暮れした毎日だった。令和3年の十二支は「牛」、牛はよく働く誠実さ忍耐強さを象徴するよい動物として親しまれてきている。仏教が生まれたインドでは牛は神様として大切にされている。十二支の1番目はネズミで2番目が牛、どうしてか。昔、正月の夜明け神殿の門をゴールにした競走で、牛は前の晩いち早く出発した。ネズミは牛の背中に乗っていた。ネズミは神殿の門の前に着いたとたんに飛び降りて1番となり、牛は2番になった、というお話が多くの国に伝えられているという。

この牛の性格と強さを人間の精神力で言えば「胆力(たんりょく)」ということができる。「胆力」は、たいていの出来事に驚いたり恐れたりしないで、物事を受け入れて、やってのける精神力で、人生の正解を求める能力だ。お布施を喜んでする人、奉仕の精神に富んだ人、ボランティア活動を率先してできる人もそういう人だ。人間の弱さは、自分の身を守ることが第一で、他人からの頼まれごとには警戒心が先に出ることだ。過去のことに愚痴をこぼし、先々のことに憂い心配して、目の前の仕事がおろそかになるのも胆力の無さの仕業である。将来のやるべきことはしっかりと見据えて、うろたえずに日々の生活を喜んで楽しく暮らしていくように、誰とでも、何事にも、前向きに付き合っていきたいものだ。

本願寺の蓮如上人(1415~1499)の御文に『領解文』というのがある。この中に「われらが今度の後生の一大事」とある。その一大事にシニアはそろそろ気が付かないとチコちゃんの「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られる。

キリスト教の教会に行くと懺悔(ざんげ)室といいのがある。懺悔というのは、神の前で自分の犯した罪を告白し悔い改めることをいう。懺悔という言葉は仏教ではあまり出てこないが、仏教では過ちを恥じて悔い改めることを「慚愧(ざんぎ)」という。よく知られているのはブッダが死の直前に説法したというお経「涅槃(ねはん)経」に書かれている。

「二つの白法あり、よく衆生を救う。一つは慚(ざん)、二つは愧(ぎ)なり」と。

慚は、自分から道徳上あるいは法律上の罪を犯さないこと、そして犯した罪には自らを恥じ、他人に恥じること。

愧は、他人に罪をつくらせないようにすること、そして他人に自らの罪を告白して、その許しを請い、天に恥じること。

「慚(ざん)」という漢字は立心偏の心に斬るという文字で出来ている。自分の心を自ら斬るのである。これがなかなか難しい。またそのような機会のない人生は平和であり穏やかである。多くの修行を積むこと、そして仏教の修行者には「人生やるからには必ずやり遂げねばならない」という強烈な覚悟を感ずるのである。

「愧(ぎ)」は立心偏に鬼という文字で出来ている。自分の心の中に鬼を見つめるのである。自分は誰よりもかわいいので、自分を悪者にすることはない。多くの人との中でお説を聞いても都合の悪いことは他人のことだと聞き飛ばす。自己中心的に生きるのが自分だ。自分の中に鬼を見ることがない人は幸せだ。よい人たちに囲まれている。感謝する人生を送るのがよい。自分の心の中に鬼を見るとき、他人を責めるのでなく、他人と教えあって、ともに気づく人生が始まる。


Space Magazine 2021年2月号

パソコン教室の窓から(31)
日立市後援パソコン入門講座を終了して

NPO法人コミュニティNETひたち

久保 裕


2021年は学校教育のデジタル化が動き出す「教育ICT(情報通信技術)元年」となる。情報端末は一人に一台の時代を迎えている。国は全ての小中学校へのパソコンやタブレット端末の配備を終えて、子ども一人ひとりに合わせた、きめ細かい指導やプログラミング教育の充実を進めている。デジタル人材などの育成に向けた体制整備は待ったなしで、教員の指導力向上も必須になっている。

またシニア(高齢者)のICTスキル向上も大きな課題だ。スマホなど情報端末を利用した情報サービスは急速に普及している。行政の情報サービスもシニアが一人一台の端末を持つことにより、格差社会が生じないようにしなければならない。子どもから高齢者まで一貫した情報化を推進することが重要な課題となっている。

Cnetのパソコン教室では、これら社会情勢の急激な変化に対応するために、日立市行政マネージメント課ICT推進室と日立市教育委員会生涯学習課の後援を受けて、次の2つのパソコン講座を昨年7月に開講して12月末に終了した。

(1) シニアのためのパソコン入門講座

(2) 市民のためのプログラミング入門講座

当初は4月からの開講を予定していたが、新型コロナ感染症の発生で、緊急事態宣言が発令されたため、開講は7月になってしまった。教室は三密回避のため、一つの講座の受講生に制限をしなければならず、4つの講座に分けて開講した。そのため平日だけではなく土曜日の講座も設けることにした。木曜日午前の講座と午後の講座、土曜日の午前の講座と午後の講座と、4つのコースに分けて受講していただいた。

「パソコン入門講座」には、22人の受講があった。市への後援申請のときには、隔週2回で6か月間の講座として120人日の参加で計画したが、トータル252人日の講座受講生があった。平均年齢は、男性が76歳で女性は68歳であった。コロナ感染症対策として高齢者の外出自粛などが呼びかけられているところだったが、元気な多くの高齢者が講座に参加してくれた。


受講者からは次のようなご意見と要望があった。

① 初心者でしたが今回パソコン教室に来られて勉強になり楽しく学べました。

これを機にまだまだ学べたらと思っております。

② 以前に少しパソコンをやっていたので何とか付いていけました。さらに続けて上達したいです。

③ とても有意義だったので週一回でも受けたいです。

④ 講師の先生とサポーターの方が親切にパソコンの意味を説明してくださり、わかりやすく教えていただきました。ありがとうございました。

⑤ 講座回数が週一回ならば尚よかったです。


Space Magazine 2021年3月号

パソコン教室の窓から(32)
4月から日立市後援パソコン入門講座を新規開講

NPO法人コミュニティNETひたち

久保 裕


昨年に引き続き2021年度も4月から、日立市行政マネージメント課ICT推進室と日立市教育委員会生涯学習課の後援を受けて、次の2つのパソコン講座の開講を予定しています。

(1) シニアのためのパソコン入門講座

市民の情報スキル向上のために、特に進化し続ける情報機器への対応が難しい高齢者を対象にして情報技術の習得のために講座を開催します。「今からでもパソコンを使えるかしら」、「以前に少しパソコンを使っていたこともあるのだけれど、新しい今のパソコンはわからない」という人のために、そして「これからパソコンを購入してみたい」思っている人のための講座です。

多くの市民がパソコンを生活に活かせるように、特に高齢者が学習しやすい環境を整え、参加しやすい教室で、経験豊富な講師とサポータによる入門講座です。

(2) 市民のためのプログラミング入門講座

『スクラッチ』によるビジュアル・プログラミング言語の学習です。プログラミングに未経験者でもテキストを見て簡単にプログラミングができるようになります。テキストを使ったやさしいプログラミング入門講座です。

各講座の詳細と申込みは、市報3月5日号あるいは下記のホームページ開いてを参照ください。http://www.cnet-hitachi.com/