2009年(平成21年)の作品 (56回~45回)

十二月 56回
松手入れ半被凛々しき三代目
十一月 55回
車椅子落葉時雨をゆっくりと
十月 54回
コスモスが揺れて母呼ぶ迷路かな
九月 53回
台風の晩鐘を消す夕べかな
八月 52回
山険し息回復の滝の風
七月 51回
むきだしの山肌ざくり夏の雲
六月 50回
七宝の髪留めきらと梅雨晴間
五月 49回
夕闇の山肌白く花こぶし
四月 48回
もみじ手にあんのはみだすさくら餅
三月 47回
花予報気象士悩ます温暖化
二月 46回
山古志の雪に歓声都会の子
一月 45回
こうのとり荒海越えて年新た

2008年(平成20年)の作品 (44回~33回)

十二月 44回
源三窟時代変わらぬ大氷柱
十一月 43回
放課後の空教室の秋の声
十月 42回
木犀の香りまといく赤信号
九月 41回
秋あかね人待ち顔の観覧車
八月 40回
絵日記の机はみだす大花火
七月 39回
夏雲や池塘に凛と枯木立つ
六月 38回
残雪を朱に飯豊の夜明けかな
五月 37回
初わらび樽口峠晴れわたり
四月 36回
通勤路慣れて今年のさくらかな
三月 35回
春の雨「蛍の光」あしたかな
二月 34回
シクラメン窓を揺さぶる夜半の風
一月 33回
鵜の岬海鳥行き来初日の出

2007年(平成19年)の作品 (32回~21回)

十二月 32回
木守柿今日も無事なり通勤路
十一月 31回
垣越しの柿の鈴生りまわり道
十月 30回
木犀のほのかな香り赤信号
九月 29回
ひとり居のビール手酌や誕生日
八月 28回
みちのくやラッセラッセで夏は過ぐ
七月 27回
一坪程校舎の隅の青田かな
六月 26回
雷鳴に急かれて越える峠かな
五月 25回
春風や髪の香流る赤信号
四月 24回
雨音に花が気になる夜明けかな
三月 23回
赤信号帽子コロコロ春一番
二月 22回
春めきて峠はるかに六角堂
一月 21回
窓の霜朝日に透ける幾何模様

2006年(平成18年)の作品 (20回~9回)

十二月 20回
門衛が両手の背伸び小春の日
十一月 19回
久慈川を編隊飛行秋あかね
十月 18回
湯治宿物売りの声秋深し
九月 17回
露天風呂湯気の上気の紅葉かな
八月 16回
遠花火おつまみ一つふえにけり
七月 15回
無人駅おいでおいでと青田風
六月 14回
若竹や皮脱ぎ捨てて宙へ伸ぶ
五月 13回
春風の十人十色の俳句かな
四月 12回
春寒や金魚も石になりにけり
三月 11回
浜街道みぞれに変わる沖の雲
二月 10回
ざくざくとくるぶし埋まる霜柱

2005年(平成17年)の作品 (8回~1回)

十月 6回
秋あかね峠はるかに六角堂