2015年(平成27年)の作品 (128回~117回)

五月 121回
総入れ歯のことは秘密よ四十雀
四月 120回
満開の桜地にふれ神の前
三月 119回
総毛逆立て白鳥の争そへり
二月 118回
白鳥の水辺明るき日曜日
一月 117回
日をはじく梅林めぐる水の音

2014年(平成26年)の作品 (116回~105回)

十二月 116回
雨情を祖父と言ふ人寒牡丹
十一月 115回
冬の鯉背を乗り越える冬の鯉
十月 114回
台風の目の大いさに驚きぬ
九月 113回
離陸して窓にぽつかり望の月
八月 112回
夜の秋まだ生ぬるき小松原
七月 111回
小学校の津波訓練梅雨晴間
六月 110回
人気なき尼寺にして梅雨晴間
五月 109回
しほさゐを子守歌とし石楠花や
四月 108回
筍のところかまはず出るは出るは
三月 107回
山中に鯉飼ふ漢雪五尺
二月 106回
午後の日に傾きかけし雪だるま
一月 105回
新年会ことばひらひらゆき交へり

2013年(平成25年)の作品 (104回~93回)

十二月 104回
凍瀧へ挑む男の点となり
十一月 103回
振り返る里山は早や冬の月
十月 102回
秋の風人の恋しと投句箱
九月 101回
車椅子の人の飛び入る運動会
八月 100回
耳遠き二人の会話芒越し
七月 99回
旧道を見下ろす峠蕎麦の花
六月 98回
馬鈴薯の花へ真直ぐ雨降る日
五月 97回
曲がり家の裏のせせらぎ夏めけり
四月 96回
一山を大きく揺らし海の南風
三月 95回
波音を総身に河津桜かな
二月 94回
リハビリ中朝の一声匂鳥
一月 93回
七種粥大きスプーンのついてをり

2012年(平成24年)の作品 (92回~81回)

十二月 92回
潮の香の橋上駅や初茜
十一月 91回
落葉掻く声の響きや岬道
十月 90回
十五夜の月真っ白となる夜明け
九月 89回
廃船に大きな錨鳥渡る
八月 88回
孫曾孫の名前忘れし盆用意
七月 87回
未央柳好きなゴッホの黄の色に
六月 86回
老鶯の一声にしてそれつきり
五月 85回
欅並木風を離さぬ若葉時
四月 84回
燕来る岬まるごと古墳なり
三月 83回
言問橋に夫と吹かれて草団子
二月 82回
上流にダムある町の梅盛
一月 81回
寒に入る六角堂跡さざ波す

2011年(平成23年)の作品 (80回~69回)

十二月 80回
隣室の大きなくしゃみ夜の黙
十一月 79回
婚決まる水仙の芽の小指ほど
十月 78回
石榴熟れ喪の明け近き石の門
九月 77回
わが髪も靴もくたくた残暑なほ
八月 76回
ふうせんかつら弾みやすくて風の道
七月 75回
朱の廊下めぐりて素足喜べり
六月 74回
水槽の章魚の出たがる余震かな
五月 73回
若葉出て若葉へ入る稚児の列
四月 72回
道の辺の干されし磯菜春休み
三月 71回
春一番原子炉の塔際立てり
二月 70回
間道へ雪折れ竹を引き出せり
一月 69回
朝霜の深く眩しき瀧の句碑

2010年(平成22年)の作品 (68回~57回)

十二月 68回
海風を好きと干し藷反り返る
十一月 67回
ひょんの笛廻し吹きするみな真顔
十月 66回
乳しぼる牛舎に小鳥来てゐたり
九月 65回
敬老会吹奏楽に迎えられ
八月 64回
青蔦のゆさゆさツタンカーメン展
七月 63回
ジンジャー咲く日本語上手な牧師さん
六月 62回
すこやかに発声習ふ薄暑かな
五月 61回
六月や衣裳蔵より姉の声
四月 60回
摘み立ての搗きたてといふ蓬餅
三月 59回
梅林をめぐる川音バーベキュー
二月 58回
水平線に居据る雲や建国日
一月 57回
釣り人も交へて浜のどんど焚く

2009年(平成21年)の作品 (56回~45回)

十二月 56回
水底の石に影揺れ十二月
十一月 55回
安達太良の風に乗る鳶紅葉晴
十月 54回
鳥打帽の父につき行く芒原
九月 53回
遠き日の影踏む遊び望の月
八月 52回
大花火黒子花火師ぱっと浮き
七月 51回
はとバスの来てをり形代流しかな
六月 50回
日の差して後ろ明るき橅新樹
五月 49回
遠海鳴りうつらうつらと梅太り
四月 48回
立ち上がる卯波の腹の真青なり
三月 47回
君子蘭大きな家の大き闇
二月 46回
滝川に日の射し柳鮠跳ねる
一月 45回
青々と竹の太箸婚決まる

2008年(平成20年)の作品 (44回~33回)

十二月 44回
糶納む新港埠頭の井戸ポンプ
十一月 43回
山眠る夕日すとーんと落ちにけり
十月 42回
鉈で割る道産子南瓜でありにけり
九月 41回
小鳥来る海抜ゼロの神の域
八月 40回
鰯雲海を見下ろす新校舎
七月 39回
花嫁の袂ぽってり合歓の花
六月 38回
みづうみへ突き刺すごとく夏岬
五月 37回
三面鏡の中をあふれて黄水仙
四月 36回
さくらさくら遠目に宇宙通信塔
三月 35回
緑青吹く奉納錨日永かな
二月 34回
飛立ちてすぐの鍵形越冬鵜
一月 33回
獅子頭に髪撫でらるる神の前

2007年(平成19年)の作品 (32回~21回)

十二月 32回
ジーンズの夜干しの湿り年用意
十一月 31回
絵手紙のコスモス吹かれ鵙日和
十月 30回
照り返す海峡まぶし稲襖
九月 29回
雨後の一片の雲藷太る
八月 28回
キャンプ村つらぬく川を釜流れ
七月 27回
点滴の中にも夏の夕日かな
六月 26回
鳴き砂の渚弓なり夏燕
五月 25回
辻馬車のシャンシャン鈴の夏来る
四月 24回
機嫌よき朝の川音簗つくる
三月 23回
隅田川越ゆれば佃鳥の恋
二月 22回
火口湖の目覚めのころか春の雷
一月 21回
初暦書と絵の間合い清清し

2006年(平成18年)の作品 (20回~9回)

十二月 20回
鉄索の下の近道冬の瀧
十一月 19回
猪堀りし自然薯の穴風渡る
十月 18回
秋日濃き古代住居の竃跡
九月 17回
サーファーを乗せてはがねの波頭
八月 16回
倭武多果つ拾ひし鈴のちりりんと
七月 15回
高原へ迫り出す露台遠浅間
六月 14回
川音に目覚めの早き白木槿
五月 13回
肋骨のあらはな破船南吹く
四月 12回
雨兆す注連縄太き花しだれ
三月 11回
紅白の梅の曼荼羅三の丸
二月 10回
婚の荷の運ばれてくる梅の昼
一月 9回
干し鱈の棒の如きを浸しけり

2005年(平成17年)の作品 (8回~1回)

五月 1回
灯台の見える喜び新社員